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資産管理とは?資産管理の重要性と効率よく資産管理を行うポイントを解説

2024年12月9日

企業経営において、資産管理は非常に重要な役割を果たしています。適切な資産管理は、企業が財務健全性を保ち、さまざまなリスクを最小限に抑える鍵となります。そのため資産管理を十分に理解していなければ、適切な企業経営が困難になるでしょう。
本記事では、資産管理の基本概念から、その重要性、効率的な管理方法まで、幅広く解説します。資産管理について深く理解して企業の価値を高めましょう。

企業の資産とは

企業の資産とは

企業の資産は、ビジネス活動を支える重要な要素です。資産には、現金や不動産などの有形物に加え、著作権などの権利や情報といった無形物も含まれます。 これらは大きく管理対象によって「固定資産」と「流動資産」に分類されます。

固定資産

固定資産とは、企業が長期的(1年以上)に保有し使用する資産を指します。1年以内に現金化できないものは基本的に固定資産ととらえてよいでしょう。
固定資産に大きく3つの種類に分けられます。

  • 有形固定資産
    その名の通り、形あるものが有形固定資産です。具体的には土地や建物、機械設備、PCやネットワーク機器などIT資産も含まれます。
  • 無形固定資産
    物理的に存在していないが、価値があるモノは無形固定資産として分類されます。特許権や著作権、借地権などの法律上企業が保有する権利が該当します。
  • 投資やその他の資産
    関係会社への出資金、長期保有目的の有価証券、長期貸付金など、主に長期的な投資を目的とした資産が該当します。

流動資産

流動資産とは、営業によって発生した流動性がある資産で、短期間(通常1年以内)で現金化可能な資産を指します。
流動資産には3つの種類があります。

  • 当座資産
    現金もしくは現金化できる資産を指します。現金や預金、受取手形などが含まれます。
  • 棚卸資産
    販売によって現金化できる在庫のことを指します。
  • その他流動資産
    上記2つに該当しない流動資産を指します。短期貸付金や未収金などが含まれます。

資産管理の重要性

資産管理の重要性

資産管理は企業経営において極めて重要な役割を果たします。特に企業活動の基盤となる建物や機械設備などの有形固定資産は、企業の総資産の中でも大きな割合を占めており、その管理の良し悪しが企業経営に直接影響を与えます。
近年は、企業の保有するこのような資産を経営戦略的な視点から一元的に管理し、効果的に企画・管理する「ファシリティマネジメント」の考え方が注目を集め、多くの企業に広がっています。まだ資産の一元管理を実施していない企業にとって、今がその取り組みを始める絶好のタイミングかもしれません。ビジネス環境が急速に変化する現代では、効率的な資産管理は企業の競争力を高める重要な要素です。この機会にファシリティマネジメントについて詳しく理解しておきましょう。

資産管理は企業経営において、特に以下の2つの点で重要な役割を果たします。

適切な会計処理を行える

企業経営において、資産管理を行うことは財務の健全性を左右する重要な要素です。固定資産は購入時に全額を費用化せず、減価償却費として長期にわたって少しずつ費用化していく場合が多いです。この処理を適切に行うことで、企業の利益や財務状況を正確に把握できます。
しかし、資産管理が不十分だと、正確な減価償却費の算出が困難になり、会計処理に誤りが生じる恐れがあります。これは監査での指摘事項となり、最悪の場合、是正勧告を受ける原因にもなりかねません。
適切な資産管理は、正確な決算処理の基盤となり、企業の財務的信頼性を高めます。そのため、固定資産の状況を常に把握し、適切な減価償却処理を行うことは、健全な企業経営に欠かせない重要な業務と言えるでしょう。

予防保全につながる

予防保全とは、資産の故障や劣化を未然に防ぐ取り組みです。特に固定資産においては重要で、定期的な点検やメンテナンスを通じて、資産の寿命を延ばし、突発的な故障や損害を最小限に抑えることができます。中でもビルや工場などの建物に関する設備は企業のビジネスを支える重要な存在です。もし改修が必要な場合でも放置してしまうと企業のビジネスに悪影響を及ぼす可能性があります。長期的なビジネスを行うためにも適切な資産管理を行うことが求められるのです。
予防保全は設備保全の一つです。

資産管理を行う方法

資産管理を行う方法

資産管理を効果的に行うためには、以下の2つの方法があります。

Excelで管理台帳を作る

Excelを使用した資産管理は、多くの企業で採用されている方法です。Excelの強みは、カスタマイズの容易さと使い慣れたインターフェースにあります。基本的な資産情報(取得日、価格、減価償却状況など)を記録し、簡単な計算式を組み込むことで、効率的な管理が可能です。しかし、データ量が増えると管理が煩雑になる可能性があるため、企業の成長に応じて、より高度な管理システムへの移行を検討することが重要です。

資産管理ツールを利用する

資産管理に特化したITツールを利用することで、Excelと比較し、より高度で効率的な資産管理が可能になります。例えば、ビルや工場などの資産情報を統合的に管理するツールであれば、建物の基本情報だけでなく、保全業務やコスト、エネルギー使用量などのデータと連携し、より効率的な資産管理を行うことができます。初期投資は必要ですが、長期的には大幅な業務効率化とコスト削減につながる可能性が高いためおすすめです。

資産管理ツールのユースケース

資産管理ツールは、製造業、不動産業、IT部門など、さまざまな業界や部門で幅広く活用されています。ここではビルや工場などの建物を運営・管理する設備保全部門における資産管理ツールのユースケースを紹介します。

  • 計画的な保全業務の実現
    建物や設備の耐用年数、修繕履歴、劣化状況などを一元管理することで、更新時期を的確に把握できます。最適な保全計画と予算を立案でき、費用対効果の高い設備投資と保全業務を実現します。
  • 法定検査・点検の確実な実施
    消防設備や電気設備などの法定点検の期限管理を自動化できます。点検時期の事前通知や実施記録の一元管理により、法令遵守を確実に行え、監査時の証跡提示もスムーズに対応可能です。
  •  予防保全の実現

    設備の稼働時間や日々の点検データを積み重ねて分析することで、故障の予兆を早期に発見できます。このため、部品の交換や修理を計画的に行えるようになり、設備が突然止まるようなトラブルを防げます。その結果、修理費用を抑えながら、設備を長く使い続けることができます。

資産管理ツールの活用により、計画的な保全業務の実現、法定点検の確実な実施、予防保全の実現など、設備管理の高度化と法令遵守の両立を実現できるでしょう。

効率よく資産管理を行うポイント

効率的な資産管理を実現するためには、単に情報を記録するだけでなく、戦略的に管理することが重要です。その中でも特に重要なポイントが、情報の一元化です。

資産情報や図面などの情報を一元化する

資産管理を効率よく行うには、資産管理ツールを導入したうえで、資産情報だけでなく、CADやBIMなどの建築データや予算情報、エネルギー使用量などあらゆる情報を一元化することが重要です。これにより、以下のような利点が生まれます。

  • 情報アクセスの迅速化

    必要な情報を素早く取得でき、意思決定のスピードが向上します。

  • データの整合性確保

    重複や矛盾を減らし、信頼性の高い情報基盤を構築できます。

  • 分析の高度化

    多角的なデータ分析が可能となり、資産の最適活用につながります。

  • コミュニケーションの改善
    関係部署間の情報共有がスムーズになり、協働が促進されます。

このように、資産を一元管理し既存設備と結び付けることで、業務効率化につながり、ひいてはムダなコストや手間も削減できるため生産性の向上にも貢献します。そのため資産管理を行うのであれば、併せて資産の一元管理がおすすめです。

統合型資産管理ツールは「Archibus」がおすすめ!

資産を一元管理するツールはさまざまありますが、その中でもBIPROGYが提供する「Archibus」がおすすめです。Archibusは、統合ワークプレイス管理システムとして豊富な実績と役立つ機能を備えています。
Archibusの主な特徴は以下です。

  • 建物データベースの作りやすさ
    土地・建物の設備情報はもちろん、保全業務やコンディション調査などの業務活動、関連コストなどの資産情報を包括的に管理できます。さらに、CAD・BIMの図面データや、お客様の既存システムともスムーズに連携が可能です。このような統合的な管理により、施設管理業務の大幅な効率化を実現します。
  • さまざまな情報との連携
    上述したCAD・BIMに加え、IoTセンサーやエネルギー管理システム、基幹システムなど、さまざまなデータソースと連携可能です。建物に関する実績データを一元的に把握できる強力な管理基盤として活用できます。また、蓄積されたデータを活用することで、市場環境の変化に柔軟に対応できるファシリティマネジメントの実現と、より戦略的な経営判断をサポートします。
  • カバーできるFM(ファシリティマネジメント)業務の広さ
    1つの建物データベースに対して、豊富な業務アプリケーションが整備されているため、FMに関わるあらゆる業務に対応できます。網羅的にFMデータを蓄積でき、常に最新の情報を維持することができます。

Archibusの導入により、企業は資産管理を大幅に効率化し、戦略的な資産活用を実現することができます。特に膨大な資産を保有する企業や、複雑な資産管理を必要とする組織にとって、Archibusは効果的なツールとなるでしょう。

効率的な資産管理を行い、企業価値を高めよう

資産管理は企業経営の根幹を支える重要な活動です。特にビルや工場などの有形固定資産は寿命に限りがあり、長期的に資産を活用するには効果的な資産管理が重要となります。しかし、多くの企業では資産管理は軽視されがちで効率的な運用ができていません。
そこで、BIPROGYでは効率的な資産管理を行うための、統合ワークプレイス管理システム「Archibus」を提供しています。Archibusは土地や建物、設備や人・業務活動・コスト等さまざまな資産情報を統合的に管理し、さらにCAD・BIMなどの図面データや既存システムとの連携も可能です。Archibusを導入・活用することで効果的な資産管理が実現でき、企業の収益改善・価値向上にも貢献します。
ぜひこの機会に導入を検討されてみてはいかがでしょうか。お気軽に以下のページよりお問い合わせください。

資産管理を行う上で、ライフサイクルコストも非常に重要です。ライフサイクルコストについて詳しくは以下のコラムをご覧ください。

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